照明ひとつで売上が変わる?店舗空間の演出術

照明は空間の印象を左右するだけでなく、お客様の行動や購買意欲にまで影響を与える重要な要素です。たったひとつの照明の選び方や配置によって居心地が良い、商品が魅力的に見える、また来たくなる、そんな空間が生まれます。

今回は店舗照明の基本から業種別の演出方法、そして売上に繋がる照明計画を紹介します。



照明が店舗の印象と売上に与える影響


店舗づくりにおいて照明は単なる明るさを確保するためだけの設備ではありません。

照明の色、明るさ・配置によって空間の印象やお客様の行動が大きく変わります。

飲食店では照明で明るく落ち着いた雰囲気を演出することによって滞在時間が伸び、追加注文に繋がることもあります。明るすぎる照明や寒色系の光は緊張感を与えてしまい退店を早める空間になってしまうこともあります。

物販店では、商品にスポットを当てることで高級感や鮮度を強調する効果があります。

照明の工夫ひとつで同じ商品でも魅力的に見えるかどうか?が変わります。

照明は空間の演出装置であり、売上に大きく影響する戦略ツールとも言えます。

店舗の目的やターゲット層に合わせて照明計画を見直すことで空間の価値を引き出すことが可能です。


照明の種類と役割


店舗照明には、ただ空間を明るくするだけでなく目的に応じた役割があります。

店舗照明の基本となる4つのタイプについて施工の視点も交えながら紹介します。


ベース照明


空間全体の明るさを確保する照明で店舗の基本照度を担います。

天井に設置するダウンライトやシーリングライトが代表的でお客様が安心して過ごせる明るさを保つ役割があります。


施工ポイント→照度が強すぎると落ち着きがなくなり、弱すぎると不安感を与えるため業種に応じた照度設計が重要です。


アクセント照明


特定の場所や商品を強調する照明です。スポットライトや棚下照明などが該当し、視線を誘導したり商品の魅力を引き立てる効果があります。


施工ポイント→照明角度や光の強さを調整することで商品の質感や色味をより魅力的に見せることができます。


タスク照明


作業や接客に必要な明るさを確保する照明です。レジカウンターや厨房、作業台など手元の明るさが求められる場所に設置します。


施工ポイント→安全性と作業効率に直結するため影ができないように配置することが大切です。


デコレーション照明


空間の雰囲気づくりや演出を目的とした照明です。ペンダントライトや間接照明、LED演出灯などがあり店舗の訴求ポイントやブランドイメージを表現する役割を持ちます。


施工ポイント→明るさより見せ方が重要。内装との調和や色温度の選定が空間演出の鍵になります。


照明は業種ごとに役割が異なり、目的に応じた使い方が必要です。


業種別・照明演出のコツ


店舗の照明は業種によって求められる雰囲気や機能が大きく異なります。

業種ごとの照明演出のポイントと施工時の注意を紹介します。


飲食店(居心地と滞在時間をコントロール)


暖色系の照明で落ち着いた雰囲気を演出。テーブルごとに照明を調整することでプライベート感を高める。


施工ポイント→ペンダントライトや間接照明を使い光源が直接目に入らないように設計する。調光機能付きの照明器具を導入すると時間帯に応じた演出が可能です。


美容院(顔映り・清潔感が命)


白色の照明で肌の色を自然に見せる。鏡周りは均一な明るさで影ができないようにする。


施工ポイント→照度が高すぎると緊張感を与えるためベース照明は控えめにして鏡の上下や側面にLED照明を仕込むと顔映りが格段に良くなります。


物販店(商品を魅力的に見せる照明)


スポットライトで商品に光を当て質感や色味を強調。棚下照明やショーケース照明も効果的です。


施工ポイント→照射角度や光の色温度を商品に合わせて調整。陳列変更に対応できるようにライティングレールを使うと柔軟性が高まります。


クリニック・薬局(安心感と機能性を両立)


白色系の照明で清潔感を演出。待合室はやや暖色寄りにすると緊張を和らげます。


施工ポイント→診察室や調剤スペースはタスク照明で明るく。照明のちらつきや影が出ないように器具選定と配置に注意します。


エステ・リラクゼーション(癒しと非日常感を演出)


間接照明やキャンドル風の光でリラックス空間を演出。色温度は2700K前後の暖色系が理想。


施工ポイント→照明のON/OFFだけでなく光量や色味を細かく調整できるように設計。音響や香りとの連動も考慮すると空間の完成度が高まります。


業種ごとの照明演出は単なる明るさではなく空間の目的や顧客心理に合わせた設計が大切です。




売上につながる照明計画


照明は空間の雰囲気をつくるだけでなく、お客様の行動や心理に働きかける戦略的な要素です。

売上に直結する照明計画の考え方を施工の視点も交えて紹介します。


視線誘導で動線をつくる


照明の配置によって人の視線や動きは自然と誘導されます。入口から商品棚、レジとスムーズに流れるように照明を設計することで滞在時間の延長や購買意欲の向上にも繋がります。


施工ポイント→スポットライトやアクセント照明を使い、視線の目的物を明確にする。

照度の強弱で空間にメリハリをつける。


商品価値を照明で高める


照明は色味や角度によって商品の質感・鮮度感・高級感は大きく変わります。特に物販店や飲食店では照明によって「魅力的に見えるかどうか」が売上に直結します。


施工ポイント→色温度を商品に合わせて選定。食品なら暖色系、金属やガラス製品なら白色系が効果的。


時間帯に応じた照明を演出


昼と夜、平日と週末など時間帯によって求められる雰囲気は変わります。調光機能やタイマー制御を活用することで時間帯に応じた空間演出が可能になります。



施工ポイント→調光器やスマート照明を導入し、時間帯ごとに照明や色味を自動調整。


心理的な快適さがリピートにつながる


照明がもたらす居心地の良さはリピート獲得に大きく影響します。眩しすぎず、暗すぎず、落ち着ける空間は「また来たい」と思わせる力があります。


施工ポイント→間接照明や眩しさ対策を施し、目に優しい光環境を作る。内装との調和が大切です。


照明計画は単なる設備としてだけでなく店舗の売上げやブランド価値を左右する戦略です。

業種やターゲット層に合わせて照明の種類・配置・演出を計画することで店舗の価値は大きく変わります。

株式会社 福冨では設計段階から照明計画を含めた空間づくりをご提案し、施工面でも細部までこだわった店舗づくりをサポートさせていただきます。

「照明で空間を変えたい」「店舗の雰囲気を見直したい」とお考えの方は是非お気軽にご相談ください。



株式会社福冨は、滋賀県大津市を拠点に、工務店・不動産業を営んでいます。地域に根ざし、お客様の目線に立った親身な対応を大切にしながら、一つひとつのご相談に真剣に向き合っています。 問題に対する提案力には自信があり、デザイン・設計から施工まで、一貫したワンストップサービスを提供。新規出店のサポートでは、物件探しから各種申請手続きまでトータルでお手伝いします。 個人宅のリフォームも、小さな修繕からフルリノベーションまで幅広く対応可能です。住まいに関することなら、お気軽にご相談ください。 あなたの理想をかたちにするお手伝いを、株式会社福冨が心を込めていたします☺


他の記事コンテンツ


【もう迷わない!】初めての店舗内装工事で失敗しない!確認申請・手続きから成功までの全ステップ」