梅雨の時期は気圧が低く湿度が非常に高くなり身体がだるく重く感じ不調を感じる方も多いと思います。梅雨どきに生じることで「梅雨だる」と言うそうです。
梅雨だる予防をして乗り切りたいものです。
一方で高温多湿な環境を好むものもいます。シロアリです。
雨の日が多く湿度が高くなり、雨で濡れた木材がなかなか乾かず湿気を含み、シロアリにとっては好条件が揃います。このため十分な対策が必要です。今回はシロアリについて紹介したいと思います。
シロアリの生態
シロアリは木材を分解する能力を持ち木材を食べる社会性昆虫で、女王・王・働きアリ・兵アリといった役割を持ち階級構造を持っています。
日本では主にヤマトシロアリとイエシロアリの二種類が生息しており家屋に被害を与えています。
シロアリの社会構造
シロアリは社会性昆虫であるため、シロアリ王国を形成して生活しています。
女王→巣の中心となり卵を産み続けます。
王→女王と共に繁殖を担当します。
働きアリ→巣作り・餌の運搬・昆虫のお世話をします。
兵アリ→巣を守るために外敵と戦います。
シロアリの食性
シロアリは植物の繊維を主食とし、消化を助ける微生物と共生しています。建築物や家具の木材を食害します。
繁殖とシロアリ王国
シロアリは羽アリとして飛び立ち、新しい巣を作るため分散します。湿度の高い環境を好み、適した場所を見つけると新たな巣を作ります。
住処と活動環境
シロアリは土壌や木材の内部に巣を作ります。ヤマトシロアリは比較的小規模な巣を作るのに対して、イエシロアリは大規模な巣を作ります。
建物の内部を音もなく破壊
シロアリは外から見えない場所で静かに木材を食害するため被害に気づきにくいです。湿気の多い床下や壁の内部などに潜みながら、ゆっくりと建物を蝕んでいきます。
建物への影響
シロアリは建物に深刻な被害をもたらします。その影響について紹介します。
建材を劣化させ構造物にダメージを与える
シロアリは植物の繊維を食べるため柱や床、壁などの木材部分を浸食していきます。これにより建物の強度が低下し最悪の場合は倒壊する危険もあります。
床や柱がスカスカになる→耐震性の低下
壁の内部の被害が進行→発見が遅れる
湿気の多い場所から浸食→水回りや床下で被害が拡大
被害が目立たないため発見が遅れる
シロアリの食害は内部で進行するため、被害の深刻化に気づかないケースが多いです。
床が沈み込むような感触
壁を叩くと空洞音がする
柱や床にわずかなヒビや変色がある
修復コストが高額になる
シロアリによる被害が進行すると修復費用が高くなります。
軽度な被害→修理費は数万円
柱や床に大きなダメージ→補修費が数十万円以上
耐震性が低下している場合→建て替えが必要になることもあります
早期発見・早期対策が重要であり、点検や予防策が大切です。
シロアリの点検方法
シロアリの点検は築年数に関係なく定期的に行うのが理想ですが、特に築5~10年を過ぎた頃から注意が必要です。
築年数の点検目安
新築~5年→シロアリ対策が施されていることが多いですが、湿気の多い環境では早めのチェックが安心です。
築5~10年→防蟻処理の効果が薄れてくるため床下や壁の点検をはじめます。
築10~20年→シロアリ被害が発生しやすくなるため、年に1回の定期点検を行うのが望ましいです。
築20年以上→過去に防蟻処理をしていない場合は、専門業者による本格的な点検がおすすめです。
自分でできる点検
家の中で以下の箇所をチェックすることで兆候を見つけることができます。
床がフワフワする→シロアリが内部を浸食している可能性
柱や壁を叩くと空洞音がする→内部が浸食されている
羽アリの発生(特に春~夏)→シロアリが繁殖しているサイン
木材に細かい穴が開いている→シロアリが通った跡
床下や壁の周辺に土のトンネル→シロアリの移動ルート
専門業者による点検
シロアリ駆除業者に依頼すると目には見えない部分も詳しく調査してもらえます。
特殊な検査機械(赤外線カメラや音響検査)
床下・壁の内部も詳しくチェック
建物全体の被害状況を診断
必要であれば駆除や対策の提案
シロアリの予防対策
シロアリの浸食を防ぐためには建物の環境を整えることが必要です。
湿気の管理
シロアリは湿気が多い場所を好むため、湿度をコントロールすることで発生を抑えられます。
床下の換気の強化
除湿器や調湿材の設置
雨漏りの修理
庭の枯れ木や不要な木材の撤去
建物の構造対策
家の構造を改善することで侵入を防ぐことができます。
防蟻剤を木材に塗布
ヒノキや杉などの耐シロアリ木材を使用
地面からの侵入を防ぐためコンクリート基礎を施工
侵入経路を防ぐ
シロアリは狭い隙間から侵入するため小さなヒビ割れや隙間を埋める事が重要です。
基礎や壁のヒビ割れを修復
シロアリが好む環境を作らない
家の周囲に防蟻バリアを設置
シロアリ駆除対策
すでにシロアリの被害がある場合は速やかに駆除する必要があります。自分でできる処置としては防蟻スプレーを散布したり、ベイト剤(誘引駆除)を設置することです。
被害が大きい場合は専門業者に駆除を依頼するのが確実で安心です。
薬剤によるバリア施工
薬剤によるバリア施工は、シロアリの侵入を防ぐために建物の周囲や構造部に薬剤を散布・塗布する方法です。この方法はシロアリを直接駆除するのではなく、あらかじめ薬剤を施工することで、シロアリが近づかないようにする予防策として用いられます。
施工後も定期的に点検を行い、必要に応じて薬剤を再施工することで長期的にシロアリ被害を防ぐことができます。
ベイト工法
ベイト工法はシロアリ駆除の方法の一つで、毒エサ(ベイト剤)を使って巣ごと駆除する方法です。家の周囲に「ステーション」と呼ばれる筒状のケースを埋め込み、その中にシロアリが好むベイト剤うぃ設置します。働きアリがこのエサを巣に持ち帰ることで巣全体に薬剤が広がり、シロアリを根絶する仕組みです。バイト工法は環境や安全性を重視される方にオススメの工法ですが従来の液剤散布に比べて施工費用は高くなります。
住まいは人生の大切な場所です。だからこそ、定期的なチェックと適切な対策が重要です。
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